今までの自分が死んだ日~「ADHDでよかった」書評
先日、
ふとしたきっかけでADHDの診断をいくつか試しました。
そのきっかけが何だったのか忘れてしまったので、
すでに本末転倒な気がしますがw(すごく大切な事だった気がするw)
思い出したら即追記しますね。
で、いくつか診断してみたら『医師に相談を』と何度も出たので、「ADHDに関する本いくつか読んでみるか」的なノリで最初に読んだのが本書「ADHDでよかった」です。
それが読んでみてビックリ。
「これは俺の事か!」
まるで監視されてたんじゃないかと思うくらい、著者である立入勝義さんと共通した体験があったんです。
もうね、
共感しすぎてあっという間に読み込んでしまいましたよ。
まさか自分がADHDだったなんて、いままで思いもしませんでしたから。(変人だとは自覚してたけど)家族や周囲の友人が友好的だったのも気づくのが遅れた要因のひとつでしょう。(今まで振り回してごめん、いつもありがとう)
「なるほど、ADHDだったなら、あのときのトラブルも納得できる」
今まで生きてきた23年間の点と点がつながって紐になり、その紐の束が一本ずつほどけていくような感覚。いままで自分を苦しみ悩ませてきた、悪夢の正体がADHDの症状によるもの(併発のタナトフォビアも含む)だとわかっただけで、肩の荷が軽くなりましたね。
今までの自己像が死に、新しい自分に生まれ変わった瞬間と言ってもいいでしょう。やや大袈裟かなw
とにかく新しいスタートを切るきっかけになった一冊です。
振り返り&書評
ここからは本書の文を引用しつつ、
僕の振り返りを交えて書評を書いていきます。
「過集中の問題は、他に優先度(プライオリティ)が高く、本来なすべきことがあったとしても、そちらに気持ちを切り替えることができないことです」
優先順位が狂うのは日常茶飯事。本来やるべきことがやるべきタイミングで出来ないことが多いです。そういうときに限って他の事に関心と集中が持っていかれてる。
とにかく、何か途方もないことを思いつくと実行したくてウズウズするのです。プランを練ることなどまどろっこしく感じ、身の危険なんて想像だにしません。
これもしょっちゅうですね。
ウズウズが抑えきれなくなって見切り発車で実行するので人間関係でも衝突気味。
発達障害を抱える子供の多くは同じようにゲームやマンガ、あるいは何かの蒐集に没頭しているのが特徴の一つです。これは「過集中」の気質がもたらす結果です。
小学生のとき「週刊トレジャーストーン」の影響で鉱物や石ころの収集にハマったり、ガンプラや古本にハマって収集しまくってたのが懐かしい。
一度何かに夢中になったら、他に何も手につかなくなってしまうという気質はその後も人生を通じてつきまといます。
もう一つ困ったのが性欲と性的好奇心の問題でした。多くの専門家が成人ADHDと性欲の問題について言及していますが、私にも思い当たる節がたくさんあります。
エロ動画にハマって気づいたら8~9時間くらい経ってることがよくありました。当然ご飯食べるのも忘れてます。夢中になると自分自身の充電が切れて眠るまで熱中する。
自己顕示欲を最大限に発揮する表現活動には、まさに一心不乱にのめり込みます。逆に、それを誰かに妨害されるとものすごく気分が悪いのです。
小学生のときに開いたガンプラの作品展や、仮装行列などに関する制作期間はとてもワクワクする期間なので、ちょっとでも気に障るとブチ切れてました。親戚から『気難しい子』のレッテルを貼られたのもこの頃。
衝動的な行動の多いADHD人には、借金癖のある人が少なくありません。
持ち前の衝動性は思い切りよく事業を開始することには向いていますが、悪く言えば行き当たりばったりになってしまう危険性を強く秘めています。
思い切りで起業したものの上手くいかずに借金が残り(8社借り入れetc)、結果20代前半で自己破産してしまいました。
見た目によらず気難しい一面もあり、躁鬱のような状態になることがあります。理屈っぽい割には思ったことをすぐ口に出す感情的な面があり、そういう独特なキャラクターが職場でしばしば問題を起こします。
これにはかなり悩まされましたね。
本当に悩み続けた。
衝動的に言葉を口に出してしまい、家族や周りの人達と激しい言い争いになって自己嫌悪に陥るパターン。「頭ではわかってるのになんであんなこと言ってしまったんだろう」って何度も涙を流しました。これがわかっただけでだいぶ気持ちがラクになって、コントロールしやすくなりましたよ。
とにかく、「何をやっても効果的でないという状態がある」とだけ知っていれば、そんなに苦しまされることもありません。
こんな電池切れモードがよく起き、罪悪感に悩まされていました。そんなとき無理に動こうとしなくなって余裕ができましたね。
ADHDは一説によると四〇%の確率で親から子供に遺伝するそうです。
実の父がとても早口で、
・人の話をさえぎってもしゃべる
・理屈っぽいのに衝動的な言動が多い(離婚原因のひとつ)
・運転中に気性が荒くなる
その他いろいろADHDの症状に当てはまる部分があるので、もしかしたら父からの遺伝なのかもしれません。
まとめ
他にもADHDの人が、より特性を活かして生きるためのヒントが書かれています。やや著者の自慢?(自己表現)が鼻につくかもしれませんが、ぼくはとても助けられた一冊です。